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熊log

よく食べ、よく読み、日々を生きる

【東京・阿佐ヶ谷】水鳥屋 鶴に橘

 

~路地裏に佇む、看板の無い日本料理店~

 

先週末に杉並区に引越をしました。

越してきてはじめての金曜日、久しぶりに中央線沿いに住む友人と阿佐ヶ谷で飲むことになりました。今回はその夜に訪れたお店について書きます。

 

当日は特に事前の予約はせずに、友人との待ち合わせ時間前に駅前の商店街を廻って良さそうな店を探してみる

一通り歩いてみてたどり着いた先は、スターロード商店街。JR阿佐ヶ谷駅の北口から荻窪方面に線路沿いに延びている。

 

奥のほうに進むと、ビストロ猫の髭、ワインバー木の蔵、鮨じゅうぞうといった名前の雰囲気の良さそうな店がいくつか見つかり、食べログで検索してもなかなかの好評価で期待が高まる。候補としてメモしておく。

 

ふとメインの通りから一本入った路地に目をやると、片隅にプレミアム・モルツの看板がポツンと置いてあるのに気づく。なんのお店だろうかと近づいてみるが、看板が見当たらない。

 

気になって中をのぞいてみると明かりはついており、どうやら営業はしているようだ。右手のカウンターにはスーツを着た中年の男性が1名、左手奥の座敷には20代後半と思われるカップル1組。カウンターの中には白い割烹着の男性が1人立っていた。

 

一見して入りづらい路地裏のこの店だが、店内は暖色系の灯りに包まれなんとも良い雰囲気が漂っているではないか。これはさっそく食べログで調べねばと思ったのが、店名が分からないのでは調べられないことに気づく。

 

そうこうしていると友人と改札で待ち合わせの時間となり、結局店の名前は分からずじまいで一旦駅へと向かう。お店はどうしたものか。やはり、最後に通ったあの店が気にかかる。店名も分からず事前情報がまったく無い店に飛び込むのはリスキーだなと思いながら、ここは直感に任せて店の戸に手をかける。

 

結論としては、大当たりだった。

 

  • 店の雰囲気

店主は以前は客単価数万円の高級料亭で働いていたが7年前に縁あって阿佐ヶ谷のこの地に店を開いたとのこと。まだ30代前半~中頃かと思われお若い。おかげで敷居が高そうな雰囲気の店だったが、まだ二十代の我々が居ても場違いには感じれない。

 

店内はカウンターが6席、テーブル(掘りごたつ)2卓で10~14名程でいっぱいになるくらいのこじんまりとした造り。店主がお一人で切り盛りされているため、料理もお酒も出るペースも比較的ゆっくりである。ただ、不思議と待たされた感覚を覚えることは無く、むしろゆったりと流れる時間を含め、このお店の魅力なのだと感じた。

 

常連のお客さんはきっとここのペースを知っているのだろう。店の混み具合や店主が料理している様子なんかも目の端で捉えながらも、ゆっくりと料理や酒、連れ合いとの会話を自然に楽しんでいるように見えた。

 

おいしい酒と料理で程よく心もほぐれてくると、自ずと店主や隣の人とも会話が交わる。常連の人だけでなく新参ものの我々も気にせず会話に加わる。そして、話題に一区切りが着くとまた自分たちの会話に戻っていく。この会話の移り変わりが特に無理を感じることなく自然と行われる。こういう距離感って、なんだかいいなぁと思う。

 

  • 料理

原則事前予約が必要ということで、今回飛び込みで入った私たちは2400円ほどのコースをお願いした。

 

前菜盛り合わせ(自家製のからすみ他)

平目の刺身

マグロの酒盗

焼き鮭(名前を失念)

そば(カボスが効いてうまかった)

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これに日本酒3合ほどをちびちびといただいた。

 
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 写真は富山の清都酒造場が作るかちこま。

漢字では勝駒。元々は日露戦争の勝利を記念して命名されたという。名前は猛々しいのだが、飲み口はとてもまろやかで日本酒初心者の私たちでも楽しめた。最近入手困難らしいのだが、店主が元々、富山に住んでいたことがあり地元の知り合いの酒屋さんから直接的買い付けているそうだ。

 

食器・酒器

店に入って気づくのが器の数。店のサイズにしては棚に並ぶ皿がやたらと多い。聞くと、店主の趣味がこうじて古物商の資格まで有しているとのことで、業者向けに開かれる市場等まで出向いて定期的に仕入れをしているそう。

 

「これは大正、明治、江戸」と年代別に次々とお皿が出てくるは、出てくる。これは、お皿好きにはたまらないのではないだろうか。料理ごと、お客ごとに、食器も酒器もさまざまで、見ても食べても美味しい。

 

  • お会計

会計は3時間以上、ゆっくり食べて飲んでしめて1人あたり5000円弱、これには二人で驚き。料理に酒に人、どれをとってもなんともふくよかな時間を味わえる店だった。

 

ああ美味しいと、すっと腑に落ちる店との出会い。

こういうお店との出会いというのも、これからの人生の楽しみのひとつだなと思う。

 

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水鳥屋 鶴に橘

166-0001

杉並区阿佐谷北2-4-7

TEL : 03-3330-7705

OPEN : 1830~ 食材が無くなり次第終了  CLOSED : 日曜日

カウンター7席、小上がり8席 御予算 : 3000円~

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お店のウェブページより抜粋

http://falco.sakura.ne.jp/tsuru/access/

 

今回は飛び込みで幸運にも2席空いていましたが、原則事前予約をお奨めします。